VINSANCHI　ビンサンチ

ボクの二歳上の兄は、3.11当時の菅直人首相と大学が同期で、原子力工学の専門家。東京電力から国際組織のNUMO（原子力発電環境整備機構）に移り、５０歳を過ぎてから工学博士になった苦労人だ。今は東京工業大学客員教授を務めている。ビートたけしさんの実兄で環境化学の北野大・明治大学教授といっしょに、原子力の廃棄物問題や安全性の講演のため全国をまわってきた。そんな中、3.11が起きた。

日本の各界のトップと言われる人たちは、自分の得意分野の技術やノウハウをどのように使えば良いのか、答を見つけられないでいるのが現状だろう。団塊の世代は、戦後教育で、答が○か×かの教えを受けて来た。正解が決まっている１００点満点を上手くとれる優秀（？）な人間が、トップの座の多くを占めている。正解が決まっていない、答えがない問題を解き明かすのが苦手なのだ。いや、自分で物事を考えたり、討論したり、問題を解き明かしたりしない、できない人間が大量生産されて来たのかもしれない。国はこどもが自分の頭で考える人間に育つことを恐れてきた。そのツケが巡り巡って、今の日本を覆い尽くし、現状を招いているようにボクには思えてならない。
（つづく・・・）